死者たちを迎え入れる。そのための供養から始まった、お盆。
お盆の由来のひとつとされる「盂蘭盆経」というお経には、目連尊者が亡き母を救おうとする物語が記されています。
「盂蘭盆」という言葉は、サンスクリット語のウラバンナ(:逆さ吊り)に由来するそうです。

この世に生きている私たちでも、ちょっとした認識の歪みで心を病んでしまったり、
嫉妬や怒りによって、人間関係が地獄と化したりもすると思います。
「逆さ吊り」とは、ものごとを正反対に見てしまう、智慧のない私たちへの警告とも云われていますが、果たして「正反対」とは何なのでしょう。

そんな問いも含めて、このお盆の儀式を機に、ご先祖様や縁起についてじっくり見つめてみたいと思います。

日本のお盆には、きゅうりとなすでつくる、ユニークな精霊馬たちのお供えが伝わっていますね。

「あの世から来るときは早く帰ってきてくださいね」と、きゅうりの馬。
「帰るときは名残惜しいのでゆっくりお帰りくださいね」と、なすの牛。

昔の人の豊かな想像力と感性には、とても驚かされます。

そして、帰るところのない死者である「餓鬼」たちのために生まれたのが、施餓鬼法要です。

どうぞどうぞ
おいでください
帰る場所がなない方も、どうぞいらっしゃい
と、迎え入れて一緒に過ごし、また見送る

ちょうど地球の裏側のメキシコにも、「死者の日(Dia de muertos)」という、先祖の墓を飾りるける祭りがありますが、メキシコでも、帰るところのない死者を迎え入れるために、別に墓をつくることがあるそうで、これもまた文化の不思議ですね。

さて、今年は何に乗って帰ってきていただきましょう。
そして、何でお帰りいただきましょうか。

なんかのえんなんかの縁何かの縁@C.A.P KOBE STUDIO Y3

C.A.P.(特定非営利活動法人 芸術と計画会議):アートインレジデンスでメキシコを訪れた際に撮影した、死者の日メイク。メキシコミチョアカン州タカンバロで、互いの文化を学び合う企画として、C.A.P.から日本人7名が3週間ほど滞在しました。企画のフィナーレでは、日本の盆踊りをタカンバロの街の人々と一緒に死者の日の顔で踊りました。ここでの経験もまた、何かの機会に記しておきたいと思います。